民間と違って身分保障が手厚い国家公務員の扱いを教えて【平成15年:事例研究より】

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雇用保険は強制保険であると聞きましたが、私のような国家公務員でも適用になるのでしょうか。

このことについて、ご教示願います。

【東京 S男】

失業手当は、労働者が失業した場合に生活の安定を図るとともに、求職活動を容易にし、就職を促進することを目的に支給されています。

国家公務員については、法律により身分が保障されており、民間の労働者のような景気変動による失業が予想されにくいこと等もあり、一部の者を除き、雇用保険法の適用の対象から除外されています。

しかしながら、国家公務員であっても退職後、雇用保険法でいう失業の状態にあるものについては、同法の失業給付と同程度のものは保障すべきであるという趣旨から、国家公務員退職手当法(以下「退職手当法」といいます)第10条において失業者の退職手当の規定を設け、国家公務員が退職した場合に、退職時に支給される退職手当の額が雇用保険法を適用した場合に支給される失業給付相当額に満たず、かつ退職後の一定期間において失業の状態にある場合に、その差額分を特別の退職手当として、失業の認定を受けた日について公共職業安定所を通じて支給しています。

退職手当法において定める退職手当の適用を受ける者は次のとおりです。

①職員…常時勤務に服することを要する国家公務員 ②1号職員…非常勤職員のうち国の一般会計または特別会計の歳出予算の常勤職員給与の目から俸給が支給される者 ③2号職員…1号職員以外の非常勤職員で1ヵ月に18日以上勤務した月が引き続いて6ヵ月を超えるに至った者 「職員」および「1号職員」については、採用時点から退職手当法の適用を受けることとなりますが、「2号職員」については、1ヵ月に18日以上勤務した月が継続して6ヵ月を超えるに至った時点で採用時に遡って退職手当法の適用を受けることとなります。

なお、育児休業代替として任用された者は「職員」となります。

雇用保険においては受給要件として、「離職の日以前1年間に、被保険者期聞か通算して6ヵ月であった」ことを規定し、被保険者であった期間が断続しても差し支えないのに対し、退職手当法にあっては6ヵ月以上継続して勤務したことを必要とすることとなっています。

受給要件については、以下のとおりです。

①その者が退職の日の翌日から起算して、1年以内において待期日数(一般の退職手当を受けている場合、その受けた退職手当の額を基本手当日額で除して得た数に等しい日数)を超えて失業していること ②その者が、住所または居所を管轄する公共職業安定所(以下「管轄公共職業安定所」といいます)に出頭して、退職票を提示し、求職の申込みをしていること ③当該管轄公共職業安定所の失業の認定を受けている

【平成15年:事例研究より】