賞与の上限の扱いですが、年間200万円を超える分は、保険料徴収の対象から外れると理解してよいのでしょうか。
あるいは、年3回賞与支給の会社でも、1回ごとに200万円が上限になるのでしょうか。
【大阪・U社】
標準賞与額の上限は、健康保険200万円、厚生年金保険150万円です。
仮に、この上限が年間通算だとすると夏に150万円の賞与をもらった人は150万円に対応する保険料を支払いましたが、冬にまた150万円を受け取っても残り50万円(厚生年金は0円)こついてのみ保険料を払えばいいという理屈になります。
しかし、上限の適用は、「支給1回につき」と定められています。
例外が認められるのは、同一月に2回支給される場合だけです。
賞与交渉が長引いて、先に150万円を仮支給したけれど、その後、妥結して100万円を追加払いしたとします。
「支給1回につき」上限を超えていませんが、両方を合計すれば200万円を50万円オーバーしています。
このとき、50万円分に関しては、保険料を払わなくてもよいわけです。
「支給1回につき」という扱いで、疑問が起こるのは、賞与を年3回(年2回夏冬の賞与と、期末の業績賞与を組み合わせるタイプなど)支払う会社のケースです。
仮に、200万円ずつ3回賞与を払ったとすると、いずれも上限を超えないので、合計600万円に対応する保険料が徴収されます。
一方、年2回300万円ずつ払えば、400万円分で済みます。
しかし、これはシステム上仕方のない問題です。
実際問題としては、高収入者以外には、あまり関係のない問題ともいえます。
【平成16年:事例研究より】