当社はパートタイマーを雇用しており、勤務時間は個別に決めています。
最近、午前中(3時間)、午後(4時間)の半日勤務のパートが多くなっています。
6時間勤務のパートには、通常の労働者と同じ日数の年次有給休暇を与えていますが、半日勤務のパートは、週の所定労働時間が30時間未満ですから、年次有給休暇は比例付与となりませんか。
【埼玉 K社】
パートタイマーなど通常の労働者と比べて所定労働日数の少ない労働者に対しては、年次有給休暇(年休)を比例付与することにしています(労基法第39条第3項)。
これは、パートタイマーなどであっても、通常の労働者の所定労働日数との比率により、所定労働日数に応じた年休日数を与えるというものです。
通常の労働者の週所定労働日数を5、2日とし、週所定労働日数が4日の者は通常の労働者の5.2分の4、3日の者は5.2分の3というように、それぞれ計算された日数の年休が付与されるわけです。
端数処理の問題もありますので、具体的な日数は労基法施行規則に定められています。
パートタイマーなど年休の比例付与の対象者は、①1週間の所定労働日数が4日以下②1年間の所定労働日数が216日以下の者です。
ただし、週の所定労働時間が30時間以上の者は比例付与の対象ではなく、通常の労働者と同様の日数の年休を与えなければなりません。
パートタイマーであって、1日の所定労働時間が短くても、週5日以上働いている者は比例付与の対象ではなく、通常の労働者と同じ日数の年休を与えなければなりません。
ご質問では、パートタイマーの週の所定労働日数が明らかでありませんが、週5日以上働いていれば、たとえ半日勤務(3時間、4時間)で週の所定労働時間が20時間(15時間)であっても、通常の労働者と同じ日数の年休を与えなければなりません。
「30時間以上」とは、週の所定労働時間が30時間以上の者は、週の所定労働日数が少なくても、比例付与の対象としないというものです。
1日8時間、週4日労働(8×4 = 3 2時間)の者、1日10時間、週3日労働(10×3 = 30時間)の者などは比例付与の対象となりません。
パートタイマーの場合、年休の賃金として、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払う場合が多いと考えられ、時間給の場合には、その時間給にその日(年休日)の所定労働時間数を乗じた金額となります。
3時間勤務なら3時間分を、4時間勤務なら4時間分を支払えばよいわけですから、それほど不合理とはいえないと考えられます。
【平成15年:事例研究より】