当社は年次有給休暇の基準日を4月1日としています。
4月1日に20日の年休が発生し、6月末で定年退職となる場合、退職日までの勤務期間が3ヵ月であっても、1年分である20日を全部与えなければなりませんか。
勤務期間に応じた日数とすることはできないでしょうか。
【東京 T社】
継続勤務が6年6ヵ月以上で、前1年間の出勤率が8割以上なら、基準日に20日の年休が発生します。
ご質問の場合、4月1日に基準日を統一されていますので、4月1日に20日の年休が発生します。
たとえ、その年度の途中で退職することが予定されている場合であっても、4月1日に20日の年休が発生します。
基準日に発生する年休日数は、将来にわたって労務を提供するか、2〜3ヵ月で退職を予定しているかで変わるものではありません。
年休は過去の継続勤務を要件として発生するものであって、将来の勤務期間は発生要件となっていないからです。
6月末で退職することが予定されている定年退職者にも、4月1日に20日の年休を与えなければなりません。
発生した年休を向こう1年間のものと考えて、退職まで勤務月数に応じて20日を按分して、退職までの勤務期間が3ヵ月の場合は5日(20日×12分の3)、6ヵ月の場合は10日(20日×12分の6)しか与えないことはできません。
4月1日に20日の年休を付与しなければなりません。
【平成15年:事例研究より】