当社の就業規則では、慶弔休暇などの特別休暇(有給)の日数を定めていすが、その原因が発生した日より何日間という定めになっています。
そのなかに休日・祝日の休みがあっても、それを入れて何日という定めであり、他社では休日を除いた日数が慶弔休暇の日数として取り扱われており、休日を除くべきだという意見が出されています。
しかし、法的には当社の運用でもよいと考えていますが、いかがでしょうか。
【大阪 T社】
休暇には、法律上与えることを義務づけられているもの(法定休暇)と、就業規則、労働協約の定めによって与えられるもの(会社休暇)があります。
前者は、年次有給休暇、産前産後の休暇、生理休暇のほか、育児休業、介護休業などがあり、後者は、ご質問の慶弔休暇などの特別休暇です。
慶弔休暇などの特別休暇は、法定休暇と違って必ず与えなければならないものではなく、就業規則などに規定された事由が発生したことを条件として与えられるものです。
ですから、どのような場合にどのような日数の慶弔休暇を与えるかは、それを設けた就業規則の定めによります。
労基法第89条は「休暇に関する事項」を就業規則に必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項として掲げています。
この休暇には、労基法で与えることを義務づけられている年次有給休暇、産前産後の休暇、生理休暇などのほか、会社が任意で与えることとしている諸休暇(慶弔休暇など)も含まれます。
したがって、慶弔休暇を与える場合には、どのような場合にどのような日数を与えるか、就業規則に定めておかなければなりません。
一般に休暇とは、労働日(労働義務のある日)についてその労働義務の免除を得た日のことです。
慶弔休暇などの特別休暇であっても、労働日であることを前提として、就業規則などに定められた所定の事由が発生したことを条件として、当日課せられた労働義務を免除するものです。
たとえば、結婚休暇5日という場合、その期間に介在する休日を除いて5日の結婚休暇となります。
各社の慶弔休暇の規定の仕方をみても、休暇というからには、休日とは別に労働日だけを数えてその所定日数の休暇が与えられる場合が多いといえます。
慶弔休暇中に介在する休暇を含めますと、慶弔休暇が発生する時期により、休日が介在する場合とそうでない場合とで不公平な結果が生じることになり、労務管理の観点から好ましくないからです。
一般的には以上のようにいえますが、ご質問の場合のように、慶弔休暇を設けるに当たって、そのなかに休日、祝日などの休みの日を入れて取り扱うことがあっても、その旨明確にされていれば可能であり、法律上の問題もありません。
もともと、法を上回って与えられる慶弔休暇については、就業規則などでどのように定めるか、当事者の自由であるからです。
【平成15年:事例研究より】