即時解雇する際に支払う解雇予告手当は、労基法上の賃金ではないと聞きました。
賃金でないものとすると、その者に貸付金がある場合には、解雇予告手当からその貸付金を控除して支払うということができるのでしょうか。
【熊本・T社】
解雇予告手当は、即時解雇の効力発生要件としてその支払いを法律が要求した性質の手当ですので、解雇予告手当は賃金ではなく、また労基法第23条に定める労働者の退職の際、その要求に応じた7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品にも含まれません。
解雇予告手当の支払いが解雇の効力発生要件と解されることから、即時解雇する場合には、30日分以上の平均賃金を支払わなければならず、解雇予告手当から控除することはできません。
行政解釈も「予告手当の支払は、単にその限度で予告義務を免除するに止まるものである。
したがって法理上相殺の問題は生じない」(昭24・1・8基収第54号)としています。
【平成16年:事例研究より】