昨年、当社で雇入れた高齢者が、病気で急死されました。
被保険者期間は短いですが、遺族厚生年金の対象になるはずだ、と奥さんに説明しました。
ご夫婦に子供はなく、遺族基礎年金の権利はありませんが、この場合、死亡一時金の扱いはどうなるのでしょうか。
当社採用前はずっと自営業で、国民年金の保険料を30年以上納めていたという話です。
【鳥取 O社】
厚生年金の被保険者が死亡したとき、遺族厚生年金の対象になるかどうかは、厚生年金の被保険者期簡の長短とは直接関係ありません。
国民年金の保険料納付要件が問題となります。
原則として、国民年金の納付済期間(厚生年金の被保険者期間は国民年金の第2号被保険者)と免除期間の合計が、国民年金の被保険者期間の3分の2以上あることが、条件です。
お尋ねのケ−スでは、国民年金の保険料納付済期間だけで30年以上あるというので、それだけで要件を満たすと思います。
この場合、厚生年金の被保険者期間が短くても、被保険者期間300月(25年)を最低保障として、遺族厚生年金が支給されます。
一方、子供はいないというのですから、遺族基礎年金の受給権はありません。
国民年金には、保険料納付済期間が3年以上ある人が死亡して、遺族年金の受け取り手がない場合、死亡一時金を支払う制度があります。
金額は、保険料納付済期間に応じて定められています(表)。
厚生年金から25年相当金額の年金を受け取るうえに、さらに死亡一時金ももらえるのか、という問題ですが、死亡者が老齢・障害基礎年金の受給者でなければ、一時金は支給されます。
【平成15年:事例研究より】