介護が必要な家族がいる従業員が請求した場合、時間外労働に制限が課せられるという話ですが、男性管理職から問い合わせがあって、対応に苦慮しています。
専業主婦の妻がいても、申し出があれば、拒否できませんか。
【神奈川 N社】
育児・介護が必要な労働者に対する時間外制限は、平成14年施行の改正育児・介護休業法で義務付けられました。
時間外の上限は、1ヵ月24時間、1年150時間と定められています。
対象になるのは、小学校の始期に達するまでの子を養育する労働者、または要介護状態にある家族を介護する労働者です。
育児には「小学校の始期に達するまで」という期間の限定がありますが、介護にはありません。
法定期間が3ヵ月の介護休業とは、扱いが違うので注意が必要です。
しかし、一定条件に該当する労働者が申し出た場合、会社はこれを拒否することができます。
育児の場合、次の4タイプの従業員が制度の適用外とされます。
①日雇従業員 ②入社1年未満の従業員 ③配偶者が専業主婦であるなど、子の養育ができる状態にある者 ④所定労働日数が週2日以下の者 介護の場合については、このうち①②④の労働者が該当しますが、③は除外できません。
ですから、お尋ねのケースでは、配偶者が専業主婦の場合でも、男性従業員の申し出を認める義務があります。
深夜業の制限では、16歳以上の家族が育児・介護可能なら請求を拒否できましたが、時間外制限には、そうした条件も付されていません。
【平成15年:事例研究より】