当社の女性従業員は、夫を業務上災害で亡くし、遺族補償年金をもらっています。
一人息子が高校を卒業した場合、年金はどうなるのでしょうか。
国民年金の遺族基礎年金は、資格がなくなってしまうと聞いて、心配しています。
【長野 T社】
現在、受け取っている遺族補償年金は、受給権者が妻自身で、生計を同じくする遺族が息子1人という計算だと推測します。
対象者が2人ですから、年金は給付基礎日額の201日分が支払われているはずです。
子供が年金の対象になるのは、原則として(障害に該当しない場合)高校を卒業する年の3月までです。
遺族の数に増減があったときは、その増減を生じた月の翌月から年金額が改定されます。
国民年金の遺族基礎年金は、ご質問にあるように子供がいなくなると、妻自身の受給権も消滅してしまいます。
しかし、労災保険の遺族補償年金は、給付日数が変わるだけです。
妻1人になった場合、給付基礎日額の201日分払われていた年金は、153日分に減少します。
ただし、妻が55歳以上(障害等級5級以上になったとき含む)の場合には、175日分に改訂されます。
ですから、仮にその女性が55歳に達していないときは、一旦給付基礎日額が153日分に減りますが、55歳になると175日分に増加します。
ただし、国民年金や厚生年金と併給している場合、労災保険の金額が減額調整されるので注意が必要です。
減額率は、国民年金十厚生年金十遺族補償年金のときが20% (労災保険は80%支給)、厚生年金十遺族補償年金のときは16 % (同84%支給)です。
【平成15年:事例研究より】