当社の三六協定は、1日4時間、月間36時間、年間400時間として届出ています。
ところで、安衛法第59条および第60条の安全衛生教育を時間内に行うのが難しくなってきたため、安全教育を時間外に行い、その時間については時間外と同じ割増賃金を支払うが、三六協定の時間外からはずした場合、労基法に抵触するものなのでしょうか。
【福島・K社】
安衛法第59条および第60条の安全衛生教育は、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の発生を防止するため、事業者の責任において実施しなければならないものであり、その実施に要する時間は労働時間です。
したがって、安全衛生教育は、原則として所定労働時間内に行うべきです。
しかし、ご質問のようにやむを得ず時間外に行うには、労基法第36条に基づく協定(三六協定)が締結されていることが前提となります。
当然、時間外労働として割増賃金を支払わなければなりません。
安全衛生教育を時間外に行えば、時間外労働となりますので、三六協定の時間からはずすことはできません。
時間外労働の時間数にカウントしなければなりません。
三六協定で1日4時間、月間36時間、年間400時間と時間外労働の枠を協定されているわけですから、時間外の安全衛生教育時間を含めて、時間外労働が1日4時間、月間36時間、年間400時間を超えることになれば、違法となります。
安全衛生教育の時間について、行政解釈は「労働安全衛生法第59条および第60条の安全衛生教育は、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の防止をはかるため、事業者の責任において実施されなければならないものであり、したがって、安全衛生教育については所定労働時間内に行うことを原則とすること。
また、安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該教育が法定時間外に行われた場合には、当然割増賃金が支払われなけれぱならないものであること」(昭47・9・18基発第602号)としています。
「当然割増賃金が支払われなければならない」とは、単に割増賃金を支払えばいいということではなく、その時間は時間外労働となるということです。
【平成4年:事例研究より】