派遣含めると50人に、衛生管理者を選任?【平成16年:事例研究より】

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労働者派遣法が改正されたので、当社でも、派遣労働者の活用を検討しています。

仮に従業員40人の事業場で、新たに10人以上派遣労働者を受け入れたとすれば、働く労働者の数が50人以上となります。

この場合、衛生管理者、産業医の選任義務が生じますか。

【埼玉・T社】

労働者の安全衛生管理は雇用事業主が実施するのが原則ですが、派遣労働者.の場合、直接、指揮監督する派遣先企業が果たす役割も重大です。

このため、派遣法では、安全衛生法の適用に関する特例を設けています。

派遣法第45条では、「派遣先事業主も派遣労働者を使用する事業者と(みなし)、派遣労働者も派遣先に使用される労働者とみなして」、安衛法第12条(衛生管理者の選任)、第13条(産業医の選任戸こ関する規定を適用すると定めています。

ですから、派遣先企業で、派遣労働者も含めて労働者数が50人以上になれば、衛生管理者・産業医を選任する義務が生じます。

この場合、もちろん選任するのは派遣先の事業主です。

派遣元で衛生責任者・産業医を規定どおりに指名していても、それは言い訳にはなりません。

衛生管理者になれるのは、衛生管理者資格(第1種、第2種、衛生工学免許の3種類があります)、医師・労働衛生コンサルタント等の有資格者に限られます。

労働衛生コンサルタントを指名する場合に例外規定がありますが、原則として「事業所専属の者」であることが必要条件になります。

派遣労働者は自社の雇用労働者ではないので、安衛法の適用がないと即断すると、思わぬところで法違反を犯す危険があります。

【平成16年:事例研究より】