法定休日に8時間労働したが、代休与える必要あるか【平成15年:事例研究より】

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当社は、3割5分増しを支払う法定休日を日曜日とし、その他の休日(土曜日、祝日など)を2割5分増しとしています。

労基法第35条では毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないことになっていますので、法定休日と定めた日曜日に丸1日(8時間)の労働を行った場合には、以後、代休を与える必要があるのでしょうか。

【福岡 K社】

「代休」と一般にいわれている制度は、休日労働や長時間の時間外労働、深夜労働が行われた場合に、その代償措置として以後の特定の労働日の労働義務を免除するものです。

代休は、法律上認められているものではなく、労働協約や就業規則の定めによって認められるものです。

行政解釈は 「問 労働基準法第36条第1項によって休日労働をした労働者に対しては以後必ず代休を与えなけれぱならないか」 「答 労働基準法第36条第1項において「前条の休日に関する規定にかかわらず」と規定してあるから、設問の場合においては代休を与える法律上の義務はない」(昭23・4・9基収第1004号、平11・3・31基発第168号) としています。

3割5分以上の割増賃金を支払わなければならない休日労働とは、労基法第35条に規定する週1回または4週4日のいわゆる法定休日の労働です。

法第35条の関係では、毎週1回の休日が与えられていればよく、週に2日の休日がある場合、どちらか1日の休日が確保されていれば、その日が法定休日となり、一方の休日に労働させても休日労働とはなりません。

ただし。

法第35条の休日以外の休日の労働により週の法定労働時間を超える場合は、超えた時間が時間外労働となり時間外労働の割増賃金を支払わなければなりません。

休日のうち、週1回の休日に3割5分以上の割増賃金を支払い、その他の休日に3割5分未満の割増賃金を支払う場合には、「就業規則その他これに準ずるものにより3割5分以上の割増賃金率の対象となる休日が明確になっていることが望ましいこと」(平6・1・4基発第1号)とされています。

ご質問の場合、3割5分増しを支払う法定休日を日曜日と定めていますので、日曜日の労働には13 5%の割増賃金を支払わなければなりません。

休日労働の割増賃金を支払う代わりにその休日は消滅しますから、代休を与える法的な義務はありません。

代休を与える旨の定めがなければ、代休を与える必要はありません。

なお、現に行われた休日労働が代休を与えることによって、休日労働でなくなるものではありません。

【平成15年:事例研究より】