国年と合わせ18年加入の57歳になる女子、退職すれば年金はすぐ受給できるか【平成4年:事例研究より】

トップ » 年金 » 年金受給資格

57歳(昭和9年6月生まれ)の女子従業員が、この12月に退職したい意向です。

厚生年金の加入期間は8年10ヵ月しかありませんが、当社に勤務する前に10年ほど国民年金に任意加入しています。

年金の加入期間は合計18年10ヵ月になります。

女子の場合、35歳以後15年加入すれば、年金が貰えるとのことですが、退職すれば57歳でも受給できますか。

【石川・Y社】

ご質問の場合、女子は35歳以後の加入期間15年で、老齢厚生年金が受けられるという中高齢の特例に該当しません。

この特例の対象となるのは、厚生年金の加入期間だけで15年を満たしている場合に限られます。

中高齢の特例は、昭和22年4月1日以前に生まれた人に適用され、35歳(男子は40歳)以後の厚生年金の加入期間が15年以上あれば受給資格がつきます。

また、女子の場合、老齢厚生年金が受けられる条件がそろっていれば、60歳前から年金が受けられる支給開始年齢の特例があります。

昭和9年6月生まれの女子は、支給開始年齢は57歳です。

この場合、退職していることが必要です。

年金の加入期間が合計18年10ヵ月あっても、厚生年金と国民年金を合わせてとか、国民年金の加入期間だけでは特例は適用されません。

したがって、退職されても、57歳から老齢厚生年金を受けることはできません。

しかし、年金が貰えないわけではありません。

いま退職されると、国民年金10年、厚生年金8年10ヵ月、いままでの年金加入期間は18年10ヵ月となります。

厚生年金、国民年金のいずれの年金に加入していても、老齢の年金を受けるには、原則として25年の加入(老齢基礎年金の受給資格期間)が必要です。

勤務する前に10年ほど国民年金に任意加入とあり、サラリーマンの妻と思われます。

サラリーマンの妻で、国民年金に任意加入できるのに加入しなかった昭和36年4月以降の期間は、カラ期間として年金の資格期間に計算されます。

年金額の計算には反映されません。

ですから、カラ期間が6年2ヵ月以上あれば、老齢基礎年金の受給資格期間を満たします。

退職すれば、60歳まで国民年金に加入しますので、この斯間も資格期間に入れられます。

退職後、ただちに受給できなくても、60歳から特別支給の老齢厚生年金が、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が受給できます。

【平成4年:事例研究より】