トップ » 社会保険 » 暫定任意適用事業とは
私は、水産業を営む事業主で従業員を3人雇っていますが、知人から、当社のような事業は暫定任意適用事業であると聞きました。
耳慣れないことばですが、どういう意味なのでしょうか。
【愛媛・H社】
農林水産の事業のうち常時5人以上の労働者を雇用する事業以外の事業(国、都道府県、市町村等及び法人の事業を除く)は、当分の間、任意適用事業とされています。
これが[暫定任意適用事業]です。
事業主が任意加入の申請をし、厚生労働大臣の認可があった日にその事業につき雇用保険に係る保険関係が成立します(適用事業がその事業内容の変更、労働者の減員等によって、暫定任意適用事業に該当するに至ったときは、その翌日にその事業につき任意加入の認可があったものとみなされます)。
対象は国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものが行う事業及び法人である事業を除き、次の(イ)及び(口)いずれにも該当するものです。
(イ)次に掲げる事業(いわゆる農林水産の事業)であること。
a 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(いわゆる農業、林業と称せられるすべての事業) b 動物の飼育又は水産動植物の採補若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業 (口)常時5人以上の労働者を雇用する事業以外の事業であること。
任意加入の申請をする場合、任意加入申請書をその事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければなりません。
任意加入の許可は、当該任意適用事業の業務に従事する者の雇用関係が明確であるかどうか、事業主に労働保険関係法令上の義務の履行を期待できるかどうかを判断したうえ、当該事業に適用事業としての地位を与えようとするものですので、次の(イ)〜(へ)のいずれにも該当する場合に認可します。
(イ)当該事業部門において、おおむね年回を通じて継続的に事業活動を行っていること。
(ロ)労働保険料の納付、諸届の提出、雇用保険被保険者離職証明書の作成等の事務処理が確実に行われるものであること。
(ハ)雇用関係の存否の判断、賃金の範囲の決定、被保険者期問の計算、就業状態の確認等が困難でないこと。
(ニ)労働保険料の滞納のおそれがないこと。
(ホ)事業場の閉鎖を目前に控えたもの、近く多数の離職者が発生すること等のおそれのあるものでないこと。
(へ)正当な理由なく他の社会保険(被用者保険に限る)に加入しないものでないこと。
また、暫定任意適用事業の事業主は、その事業に使用される労働者の2分の1以上の同意を得なければ任意加入の申請を行うことができず、また、その事業に使用される労働者の2分の1以上の者が希望するときは、任意加入の申請を行わなければなりません。
【平成16年:事例研究より】