土曜休日の勤務したが、残業2時間のみ割増でよいか【平成15年:事例研究より】

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当社は1日8時間、土・日を休日とする週休2日制となっています。

就業・規則の休日振替規定により、土曜休日を翌週の平日に振り替えて出勤させました。

土曜休日の出勤が2時間の残業となり10時間となりましたが、休日を振り替えたのですから、8時間を超えた残業2時間に対してのみ125%の割増賃金を支払うことでよいでしょうか。

【千葉 T社】

就業規則の休日振替規定に基づいて、事前に休日となる日を特定して休日・を振り替えた場合には、休日と定められていた日に労働させても、その日の労働は休日労働とはならず、休日労働の割増賃金を支払う必要はありません。

たとえば、休日労働の割増率を法定休日(日曜日)35%増し、法定外休日(土曜日、祝日など)を25%増しと定めている場合であっても、休日の振替による土曜休日の出勤に125%の休日労働の割増賃金を支払う必要はありません。

このため、休日振替で土曜休日に出勤させても割増賃金を支払う必要はなく、8時間を超えた場合には、超えた時間に時間外割増賃金(125%)を支払えばよいとお考えのようですが、休日振替によって労働させた場合でも、時間外労働の問題が生じます。

行政解釈は、「就業規則に定める休日の振替規定により休日を振り替える場合、当該休日は労働日となるので休日労働とはならないが、振り替えたことにより当該週の労働時間が1週間の法定労働時間を超えるときは、その超えた時間については時間外労働となり、時間外労働に関する36協定及び割増賃金の支払いが必要であることに注意されたい」(昭22・11・27基発第401号、昭63・3・14基発第150号)としています。

「1週間とは、就業規則その他に別段の定めがない限り、日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいう」(昭63・1・1基発第1号)とされています。

就業規則で1週間の起算日について別段の定めがない場合には、週は日曜日から起算されます。

1日8時間、土・日を休日とする週休2日制の場合、月曜日から金曜日まででちょうど40時間ですから、土曜休日を次の週に振り替え、土曜日に出勤させれば、土曜日の労働のすべてが週40時間を超え時間外労働となります。

土曜日の労働が10時間となった場合、その10時間に時間外労働の割増賃金(125%)の支払いが必要です。

一方、振替によって休日となった日は8時間分が不就労となりますから、就業規則、労働協約の定めでその分の賃金を差し引くことができます。

差し引く定めなら、差し引きの結果、8時間に対しては割増分25%を、8時間を超えた2時間に対して125%を支払うことになります。

【平成15年:事例研究より】