ボーナスあっても水準は低い日雇にも総報酬制適用されるか【平成16年:事例研究より】

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日雇特例被保険者にも、総報酬制が適用されるのでしょうか。

日雇労働者に対し、一般労働者並みの賞与が支払われるのはレアケースと思いますが、一般労働者と同じように保険料率が下がるのですか。

【大阪・A社】

日雇特例被保険者とは、健保の一般被保険者の要件は満たさず、日雇労働者用の特別の仕組みが適用される人たちです。

適用事業所に使用される日雇労働者が該当しますが、ここでいう「日雇労働者」とは、次のような人を指します。

・臨時に使用される者 イ 日々雇入れられる者(同一の事業所で1ヵ月以上使用されるに至った場合を除く) 口 2ヵ月以内の期間を定めて使用される者(同一の事業所で所定の期回を超えて使用されるに至った場合を除く) ・季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用されるべき場合を除く) ・臨時的事業に使用される者(継続して4月を超えて使用されるべき場合を除く) ご指摘のように、こうした人たちが、一般被保険者(とくに正社員)並のボーナスをもらうとは思えません。

しかし、日雇特例被保険者の保険料は、次の3つを合算した額と定められています。

・標準賃金日額に健康保険の被保険者の一般保険料率(介護保険料率含む。

以下同じ)を乗じて得た額 ・前項に100分の31を乗じて得た額 ・賞与額(1,000円未満切り捨て。

40万円上限に健康保険の被保険者の一般保険料率(介護保険料率含む。

以下同じ)を乗じて得た額 1番目と3番目は、労使折半。

2番目は、事業主の単独負担です。

みてお分かりのように、基本となる保険料率は、一般被保険者と同じです。

これは、ボーナスの少ないパートや嘱託等にも、正社員と同じ料率が適用されるのと同じ考え方です。

日雇に関しては、保険料負担は軽くなるといってよいでしょう。

ちなみに、一般被保険者に関しては、総報酬制導入後、個々人の賞与額の記録が管理されることになります。

しかし、日雇特例被保険者については、「(1)総報酬制導入後においても、被保険者個々の記録の管理は行わない。

2.したがって、総報酬制導入に係る賞与等支払い届については、現行の特別保険料の届出の場合と同様、事業主は、該当する被保険者分を集計のうえ、届出。

ただし、賞与額が40万円を超える場合には、40万円として計算することとされたので留意」という扱いとなります(健康保険法等の改正に伴う事務取扱概要)。

一般被保険者について、記録管理が必要なのは、標準賞与額が年金の給付額に反映されるからです。

日雇特例被保険者が健保から受ける給付には賞与は関係してこないので、賞与支払い時の届出は、原則として従来どおりで構わないわけです。

【平成16年:事例研究より】