健康保険の傷病手当金受給中の者が快方に向かい、従前の労務に服せないが、他の軽易な労務に服せる程度に回復したので、軽作業を式みその賃金を受けた場合、または半日勤務で賃金は通常の半額である場合、傷病手当金の支給はどうなるのでしょうか。
【香川・S社】
傷病手当金が支給されるのは、療養のため労務不能で、しかもその間会社から賃金の支給のない場合です。
この「労務」とはいままで従事していた労務のことであって、他の軽易な労務に服せる程度であっても、従前の労務に服することができない状態であれば労務不能とされます。
しかし、労務不能とは全く労務に服さないことをいうのであって、短時間でも就労した場合、あるいは他の軽易な業務に服した場合は、たとえ労務不能の状態であっても傷病手当金は支給されません。
したがって、傷病手当金受給中の者が、軽労働ならできるということで出勤し、本来の業務でない軽労働に従事すれば傷病手当金は支給されません。
軽労働の賃金であっても、差額が支給されることもありません。
また、半日勤務で通常の賃金の半額であっても支給されません。
この場合も、差額支給はありません。
【平成16年:事例研究より】