雇用保険には育児休業給付という制度があると聞きますが、具体的にはどのような条件で、どの程度の金額が支給されるものでしょうか。
そもそも、うちの会社には、育児休業の制度がないようなのですが、そういう場合、どうすればよいのでしょうか。
【大分・M社】
育児休業給付は、「育児休業基本給付金」と、「育児休業者職場復帰給付金」とで成り立っています。
支給対象者 育児休業基本給付金は、育児休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上ある月が12ヵ月以上ある一般被保険者が対象になります。
妻だけでなく、夫が取得することも可能です。
なお、過去に失業給付の基本手当の受給資格の決定を受けたことのある方については、基本手当の受給資格決定を受けた後のものに限ります。
育児休業者職場復帰給付金は、上記「育児休業基本給付金」の支給対象者が、育児休業終了後、被保険者として引き続き6ヵ月間雇用された場合に支給されます。
なお、育児休業は、事業所に制度の規定がなくても、育児・介護休業法を根拠に取得できる権利です。
同法は、事業主に対して、育児休業中の待遇や休業後の賃金、配置その他労働条件をあらかじめ定め、周知するとともに、休業申出があったときは、その申出者に当てはめた具休的な取扱いをあらかじめ明示するよう努めることを求めています。
後にトラブルが起こることを未然に防止するためにも、取扱いを確認し、書面で交付を受けておくことが大切です。
給付の内容 育児休業基本給付金に関しては、育児休業を開始した日から起算した1ヵ月ごとの期間(その1ヵ月の間に育児休業日を含む場合はその育児休業終了日までの期間。
これらの各期回を「支給単位期間」といいます)について支給します。
支給の対象期間には、産後休業期間(出産日の翌日から起算して8週間に含みません。
また上記「支給単位期間」において、休業日(土日や祝日など、事業所の休日となっている日も含みます)が20日以上あることが必要です。
育児休業を終了した日、もしくは子が1歳の誕生日を迎える前々日の属する支給対象期間については、1日でも休業してれば支給を受けられることになっています。
支給単位期間の途中で離職した場合、その離職日を含む支給単位期間は支給を受けられません。
なお、育児休業者職場復帰給付金については、一時金としてまとめて支給されます。
支給額 育児休業基本給付金は、休業開始時賃金月額の30%が支給されます。
ただ、賃金が、休業開始時賃金月額の50%を超えて80%までの場合は、賃金月額の80%相当額と賃金の差額を支給し、80%以上の場合は、支給されません。
育児休業者職場復帰給付金は一時金として支給されますが、支給額は、休業開始時賃金月額の10%に育休給付金の支給対象期間数をかけたものになります。
【平成16年:事例研究より】