高額療養費の自己負担限度額上がったと聞いたが、新しい仕組み教えて【平成15年:事例研究より】

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高額療養費の自己負担限度額が引き上げられ、計算式も変わったようですが、計算式が複雑でよく理解できないので、説明してください。

【兵庫 U社】

高額療養費は、個人が窓口で支払う自己負担金が一定限度を超えたとき、超えた分を国が補填する制度です。

平成13年1月から、自己負担の限度額は、定額負担と定率負担を組み合わせて決めるスタイルになりました。

今回、改正でも基本的な考え方に変更はありません(表)。

平成15年4月以降使われている式を例に、定額・定率負担の仕組みを説明しますが、ひとつ理解すれば、他の式はすべて数字の置き換えに過ぎません。

自己負担限度額の式は、一般被保険者の場合、次のとおりです。

7万2、300円十(かかった医療費 - 24万1,000円)×1% 最初の7万2,300円を定額部分、後半部分を定率部分と呼びます。

定率部分が、簡単に1%負担部分といわれていますが、式をご覧になって分かるとおり、掛かった医療費の単純な1%ではなく、一定額を控除した残りに1%を乗じます。

どうして、こういう方式をとるのでしょうか。

定率部分の計算式に控除部分(24万1,000円)が設定されているため、この控除額を超えない限り、1%の自己負担は生じないことになります。

24万1,000円の3割は、7万2、300円です。

被保険者の自己負担額が定額部分と同じ7万2,300円を超えて、はじめて1%の定率負担が生じます(図)。

つまり、医療費が70万円とした場合、自己負担額は医療費が24万1,000円に達するまではその3割、残りの45万9,000円に対してはその1%という内訳になります。

【平成15年:事例研究より】