70歳以上と未満が混在する場合の世帯合算の仕組み教えて【平成16年:事例研究より】

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社労士の勉強をはじめたばかりの者です。

高齢者を対象とした高額療養費の世帯合算ですが、教科書を読んでもまるで理解できません。

社内に勤務社労士がいるのですが、新しくできた仕組みで、自分もよく分からないというのです。

70歳以上と70歳未満が混在する場合の計算方法を説明してください。

【北海道・H男】

高齢者を含む場合、世帯合算の限度額は、286ページの表のように整理されます。

あなたも同様のものを、ご覧になっていると思います。

この表と、数行だけの簡単な説明で、この複雑な仕組みを理解するのは、まずムリでしょう。

世帯合算として、色々なモデルケースが考えられますが、ここでは一番単純な例を挙げます。

高額療養費は、最後にドカンと支払われるのではなく、段階的に処理されるというイメージだけでもつかんでもらいたいからです。

70歳未満のAさんは、標準報酬月額30万円で、一般の被保険者に該当しますが、入院して医療費が30万円かかりました。

70歳未満の自己負担割合は3割なので、窓口負担額は9万円になります。

Aさんのお母さんBさんは、70歳以上75歳未満の被扶養者です。

お母さんも入院して、こちらは医療費が60万円に達しました。

さて、ここから高額療養費の計算が始まります。

表とにらめっこしながら、一歩一歩、話を進めていきましょう。

Bさんは、70歳未満の被保険者の被扶養者なので、区分は「一般」になります。

被保険者が70歳未満の場合、いくら収入があっても、それに関係なく被扶養者の区分は一般になります。

一般の高齢受給者の自己負担割合は1割なので、医療費60万円の場合、単純に計算すると窓口負担は6万円になります。

しかし、一般の被扶養者が入院した場合、自己負担額の限度は「世帯単位(入院を含む)]の4万200円となります。

ですから、Bさんは6万円でなく、4万200円だけを負担すれば済みます。

いいかえれば、この段階で、高額療養費1万9,800円かBさんに支払われたことになります。

次に、Aさんの家庭について、世帯合算の計算をします。

Aさんは一般の被保険者なので、そちらの自己負担限度額を計算します。

式は、「7万2,300円十(医療費−24万1,000円)×1%」です。

Aさんの世帯は、医療費が90万円(30万円+60万円)だったので、それを代入して計算すると、 7万2,300円十(90万円−24万1,000円)×1%=7万8,890円 Aさんの家庭では、「9万円+4万200円=13万200円」を支払っています。

ですから、自己負担額を差し引いた差額5万1,310円か高額療養費となります。

結局、Aさんの家庭では、Bさんに支給された1万9,800円を含め、合計7万1,110円の高額療養費を受け取ったことになります。

【平成16年:事例研究より】