社員でも加入の必要ない人がいると聞くが、被保険者の範囲どこまでか【平成15年:事例研究より】

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私は、会社で社会保険の担当をしている者ですが、社員でも被保険者にならない人がいるなど雇用保険の被保険者の概念がよくわからないのでご教示ください。

【宮城 M社】

雇用保険においては、雇用保険の適用事業に適用される労働者は、原則として被保険者となります。

この場合の「適用事業」とは、雇用保険法の適用を受け、その雇用する労働者について、政府との間に雇用保険の保険関係が成立する事業をいい、また、「労働者」とは、事業主に雇用され、事業主から支給される賃金によって生活している者、および事業主に雇用されることによって生活しようとする者であって現在その意に反して就業することができない者をいいます。

さらに、「雇用関係」とは、民法第623条の規定による雇傭関係のみでなく、労働者が事業主の支配を受けて、その規律の下に労働を提供し、その提供した労働の対償として事業主から賃金、給料その他これらに準ずるものの支払いを受けている関係をいいます。

したがって、次のすべてに該当する者は、臨時内職的に雇用される者となるため、雇用保険の被保険者とはなりません。

イ その者の受ける賃金をもって家計の主たる部分を賄わない者、すなわち家計補助的な者 口 反復継続して就労しない者であって、臨時内職的に就労するに過ぎない者 また、請負事業を行う者や、委任を受けて仕事を行う者等労働者性のない者は雇用保険の被保険者となりません。

つまり、会社と取締役、監査役等の関係は委任契約に基づくものですから、取締役等は、その限りでは雇用労働者には該当せず、被保険者とはならないことになります。

さらに、適用事業に雇用される労働者であっても、イ〜へに該当する者については、雇用保険法が適用されず、雇用保険の被保険者とはなりません。

イ 65歳に達した日以後に雇用される者

ただし、高年齢継続被保険者、短期特例被保険者または日雇労働被保険者に該当する者は被保険者となります。

短時間労働者であって、次の(イ)または(口)に該当するもの

(イ)季節的に雇用される者、ただし、(口)に掲げる者を除く

(口)短期の雇用(同一の事業主に引き続き雇用される期間が1年未満である雇用)に就くことを常態とする者

ただし、日雇労働被保険者に該当する者は被保険者となります。

ハ 日雇労働被保険者に該当しない日雇労働者

ニ 4ヵ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者

ホ 船員保険の被保険者

へ 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、雇用保険の求職者給付および就職促進給付の内容を超えると認められる者

【平成15年:事例研究より】