40歳以上の従業員の場合、健康保険料に上乗せで、介護保険料を徴収します。
端数が出た場合、会社が1円多く負担していますが、従業員に有利な扱いをする法的な根拠はあるのでしょうか。
【埼玉・I社】
平成16年度の介護保険料率は、1000分の11.1ですから一般保険料率と合.わせた健康保険料率は1000分の931となります。
たとえば、標準報酬等級23等級(41万円)の人の場合、労使折半の保険料は1万9,085円50銭です。
この場合の扱いですが、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第3条に従い、「債務の弁済を現金の支払により行う場合において、50銭以上1「月未満の端数があるときは1円として計算」します。
会社は、給料41万円の人に対し、保険料1万9,085円50銭を差し引いた残り39万914円50銭を支払う債務は1「月に切り上げます。
結局、端数処理の結果、39万915円支払わないといけません。
みかけの計算上は、従業員の給料から控除した保険料が1万9,085円、会社が負担した保険料が1万9,086円になります。
基本的な考え方としては、こうした処理を経て会社が1円多く保険料を負担しているのです。
ただし、前述の第3条には、「特約がある場合には、この限りではない」という但書が付いています。
必ず会社が多く支払う義務があるという意味ではありません。
しかし、わずか1円ですから、あえて従業員感情を害してまで、従来の扱いを変えるメリットはないでしょう。
【平成16年:事例研究より】