結婚退職で脱退手当金を受給、その後国年に加入したが手当金を受けた期間はどうなる【平成4年:事例研究より】

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厚生年金の脱退手当金を受給した期間のうち、昭和36年4月以後の期間は老齢基礎年金の期間になるということを聞きました。

妻は、結婚前に7年ほど会社に勤め、結婚退職した際に脱退手当金の手続きをし、脱退手当金を受け取っています。

現在、妻は国民年金に加入(第3号被保険者)していますので、その期間分の老齢基礎年金は貰えるのでしょうか。

【徳島・Y男】

脱退手当金は、厚生年金の加入期間が5年以上ある人が60歳に達して被保険者資格を喪失したときに、厚生年金のいずれの年金も受けられない場合に、一時金を受けとるという例外的な制度であり、また、女子には特例があり、厚生年金の加入期間が2年以上あれば、昭和53年5月31日(同日廃止)までは年齢に関係なく受けられました。

あなたの奥さんはこのケースだと思われます。

この脱退手当金の制度は廃止されました。

全国民を対象とする基礎年金の制度が導入され、老齢基礎年金の受給資格期間を満たせば、厚生年金の加入期間は老齢厚生年金に結びっくことになったからです。

ただし、昭和16年4月1日以前に生まれた人には、従来どおり年金を受けられない場合の脱退手当金の制度が残されています。

脱退手当金を受けた場合、脱退手当金の計算の基礎となった厚生年金の加入期間は、脱退手当金を受けた時点で帳消しになります。

厚生年金としては未加入と同じですので、厚生年金の計算期間にはなりません。

すでに支給を受けた脱退手当金の計算の基礎となった昭和36年4月1日以後の期間(昭和61年4月以後に国民年金の加入期間がある場合に限る)は、カラ期間として老齢基礎年金の受給資格期間の計算には入れられます。

カラ期間とは、受給要件としての受給資格期間を計算するときだけ使って、年金額の計算には反映されない期間のことです。

すでに脱退手当金を受けた厚生年金の加入期間のうち昭和36年4月以後の期間は、老齢基礎年金の受給資格期間をみる場合、年金額には反映されないカラ期間として計算はされますが、厚生年金の加入期間とみなされず、老齢基礎年金の年金額にも反映されません。

脱退手当金を受けた加入期間のうち、昭和36年以後のカラ期間があったとしても、その期間分の老齢基礎年金を貰えるということはありません。

年金額の計算には入れられません。

【平成4年:事例研究より】