トップ » 給与計算 » 給与計算は自前でやるか、アウトソーシングか
「アウトソーシング」という言葉は、一般的に「コスト削減などを目的に社内業務を外部資源に委ねる」ことを意味し、人材派遣、委託、代行、請負、外注など様々な形態が取られています。
経費を削減するためだけに単純業務を外部の会社(アウトソーサーなど)に委託するアウトソーシングは、削減対象人員を有効活用して初めて意味を持ちます。
したがって、給与計算の外部委託や代行を検討する際には、あらかじめ次のような目的を明確にしたうえで、一つの経営戦略として位置づける必要があります。
給与計算アウトソーシングを「給与計算の外部委託」などと言ったりしますが、給与計算業務の企画設計から運営まで一貫したサービスの提供を行います。
専門性を活かし給与計算業務を効率化する戦略的経営手法の一つです。
給与計算の委託は継続的なものとなるため、社労士などの給与計算アウトソーシング業者は管理責任、特に企業の機密情報や個人情報の管理責任を負うことになります。
業者は複数の会社と取引し、常に複数の会社とやり取りをしていますので、A社の情報がB社に漏洩するリスクも潜在的に有しています。
そのA社・B社が同じ業界のライバル会社ということもありえます。
したがって、情報管理体制が整備されたアウトソーサーに委託することが不可欠となると同時に、アウトソーサーを管理する管理責任者が重要な役割を担います。
エクセルは表計算ソフト(スプレッドシート)に該当し、表形式の計算を得意とするソフトです。
エクセルは1つのファイルで複数のワークシートを使用でき、また、数値だけでなく文字列や日付を入力することができるため、簡単なデータベースとして使う場合があります。
コンピュータの特質ですが、エクセルにも有効桁数(取り扱い可能な数の範囲)の制限があります。
エクセルではこの有効桁数がそれほど大きくないため、極端に大きな数字や、小数点以下の桁数が非常に大きい数字を扱うと、問題が生じることがあります。
エクセル2010では、最大で1,048,576行、16,384列(合計17,179,869,184マス)のデータを扱えることになっています。
言い換えると、これはデータサイズの制限を意味し、データが一定量を超えると、新たにデータを読み込むこと自体ができなくなります。
また、その際に警告も出ないため、大量のデータをエクセルで扱うには細心の注意が必要となります。
また、表計算ソフトの性質上、エクセルは画面表示の厳密さよりも速度を優先しています。
したがって、画面上に表示される内容と印刷時の表示が必ずしも一致する訳ではありません。
また、表示や印刷結果はプリンタドライバにより左右されるため、同じファイルであっても、パソコンによって表示や印刷される結果が微妙にずれる場合があります。
以上の点から、給与計算をエクセルで行う場合は、せいぜい5〜6人程度の毎月の給与計算をする程度にとどめ、多人数の給与計算や年末調整は行わないことです。
エクセルを使った給与計算は、自分が使いやすいように自分用に計算表を作る場合と、ネット上で無料(フリー)で提供される、マクロで組んだ給与計算ソフトを使う場合があります。
自分で作る場合は自分以外の利用を想定していないため、他の者が使う場合は使いにくいものになってしまいます。
マクロで組んだ給与計算ソフトは万人が利用することを初めから想定しているため、計算式を消してしまうとかいうトラブルはありませんが、改訂作業は制作者に依存するため、社会保険料率や所得税率の変更がある場合は、バージョンアップを待たねばならなかったりします。
また、データサイズの制限や、クラウド型で提供される場合は情報漏洩リスクも内包しています。
そもそも、無料(フリー)の給与計算ソフトなので、制作者になんら義務は発生しません。あくまでも自己責任での使用を求められます。
給与計算業務には、所得税法、労働基準法、健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法など様々な法律が関わっています。
また、法律ではないですが住民税(地方税や市県民税)の知識が必要となります。
毎月の給与計算では毎月の場合の社会保険料や所得税を控除するやり方があり、賞与計算では賞与での社会保険料や所得税の控除の方法があります。
また、一年が終了すれば年末調整をすることになりますが、ここでは年末調整のための所得税の知識が必要となります。
退職者が出て退職金を支払う場合は、退職所得の所得税・住民税の知識も必要となります。
給与計算では、税理士が専門とする所得税・住民税等と、社会保険労務士が専門とする労働基準法・健康保険法・厚生年金保険法・雇用保険法等が複雑に絡んできます。
また、実際の給与計算を進めるに当たっては、就業規則・給与規程(賃金規程)・退職金規程など会社の諸規程を正確に把握する必要があります。
したがって、総合的に判断すると、社会保険労務士が所得税・住民税等の知識を深め、給与計算業務を担うのが妥当だといえます。
給与計算をするには、その前処理としてタイムカードや勤怠表から勤怠データを集計し、確定しておかねばなりません。
パート・アルバイトなど時給で計算する場合は、1ヶ月間の労働時間を集計する作業があります。
これら勤怠データの集計確定作業は、社内で行う場合もあれば、給与計算業務と共に社外にアウトソーシングする場合もあります。
賃金は、「毎月1回以上、一定の期日を定めて」支払わなければなりません。毎月1回以上とは暦に従うものですから、毎月1日から月末までの間に少なくとも1回は賃金を支払わなければなりません。
日本の大多数の会社は、春季に賃上げ交渉を行い、4月に昇給を実施します。この場合、賃金額は4月をはじめとして会計年度を通じて、ほぼ一定水準となります。ですから、4月に昇給があったら...
労働者の自己の都合で欠勤、遅刻、早退があった場合、その労務の提供がなかった時間に相当する賃金を差し引くことは差し支えありません。遅刻、早退または欠勤に対して労務の提供のなかった時間に相当する賃...
賃金は、「毎月1回以上、一定の期日を定めて」支払わなければなりません(労基法第24条)から、賃金支払日は特定されるとともに、その支払日が暦月のうちに必ず1回以上含まれ、周期的に到来するものでなければなりませ...
4件中:1 - 4