トップ » 給与計算 » 給与計算は自前でやるか、アウトソーシングか
当社は、賃金計算期間を前月21日から当月20日までとし、その賃金を毎月末に支払ってます。
賃金計算期間を暦月(1日〜月末)による計算とし、できれば支払日を翌月15日としたい考えです。
しかし、締切日と支払日の間隔15日は一般的に考えても短いものではありませんが、締切日から支払日までの期間に「法的な基準」がありますか。
【東京・H運送】
賃金は、「毎月1回以上、一定の期日を定めて」支払わなければなりません(労基法第24条)から、賃金支払日は特定されるとともに、その支払日が暦月のうちに必ず1回以上含まれ、周期的に到来するものでなければなりません。
賃金締切日と支払日との間隔については、労基法は明文の規定を設けていません。
ですから、ご質問の変更案のように、当月1日から月末までを賃金計算期間として、翌月15日に支払うことにしても、労基法第90条の手続きに従い、就業規則を変更して行う限り、違法とはいえないと考えられます。
しかし、賃金は労働者にとって生活を支える唯一の原資ですから、賃金締切日と支払日との間隔は、賃金計算事務上合理的な期間でなければなりません。
締切日と支払日との間の期間が不当に長いような場合には、それはいわば「制度化された賃金の遅払い」であって、労基法の容認しないところといわねばなりません。
では、賃金計算に必要な合理的な日数は何日かといいますと、それはことの性質上弾力的に考えなければなりませんが、労基法第23条(金品の返還)は、「権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い」と規定していますので、この7日が一応の目安となるものと考えられます。
当事者の合意によって合理的な支払日を定めるべきです。
お考えのように、たとえば6月から賃金支払日を変更する場合、4月21日から5月20日までの賃金は5月末日に支払い、5月21日から5月末日までの賃金は6月15日に支払う措置をします。
そして、6月1日から6月末日までの賃金(これによって賃金締切日も変更)は7月15日に支払います。
5月21日から6月末日までの賃金を7月15日に支払うことにしますと、6月に賃金支払日が1回もなくなり、毎月1回以上の要件を欠き違法となります。
【平成4年:事例研究より】