老親を被扶養者とする場合の扱いを教えてください。
70歳以上の被扶養者の自己負担割合は原則1割ですが、収入の高い人は2割負担になるというケースもあると聞きます。
当社には、標準報酬月額等級33級(71万円)で老母を被扶養者としている従業員がいます。
この場合、老母が病院にかかれば、負担金割合は2割になるのでしょうか。
【大阪・T社】
健康保険の被扶養者が病院で治療を受けた場合、現在、原則として通院・治療とも自己負担割合は3割です。
しかし、被扶養者が70歳以上の場合には、扱いが違ってきます(図)。
従来、70歳以上の人は、老人保健制度の対象でしたが、平成14年10月から、ボーダーの年齢が75歳以上に引き上げられました。
70歳以上75歳未満で健康保険の対象になる人は、原則として自己負担割合1割ですが、「一定以上の所得者」に限っては、負担割合2割になります。
「一定以上の所得者」とは、70歳以上の被保険者で標準報酬月額が28万円以上(17等級以上)の人、またはその人に扶養されている70歳以上の人を指します。
ただし、70歳以上の被保険者・被扶養者の収入合計額が637万円未満等の場合には、申請すれば、1割負担になります。
扶養している被保険者自身が70歳未満の場合には、標準報酬月額が28万円以上でも、被扶養者の自己負担割合は一律1割です。
お尋ねのケースのように、配偶者でなく老親を被扶養者としている場合、被保険者自身はバリバリの現役で収入も高いのが普通です。
しかし、月収70万円クラスの高収入者でも、被扶養者の自己負担割合が2割になることはありません。
【平成16年:事例研究より】