報酬が最低ランクに近いとき、1等級だけダウン可能か【平成16年:事例研究より】

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現在、標準報酬月額等級2級のパートがいます。

本人の希望で、来月から1日当たりの所定労働時間を減らします。

当然、月収はダウンしますが、この場合、随時変更が可能なのでしょうか。

随時変更は2等級以上アップ・ダウンさせるのが原則ですが、2級の人間を2等級ダウンさせるのは、不可能です。

1等級だけ下げる申請も認められますか。

【青森・Y社】

随時変更は、固定的資金に変動があり、変更後3ヵ月間に現在の標準報酬月額と2等級以上の差がついたときに実施されます。

お尋ねのケースが該当するか否かですが、まず「固定的資金の変動」があるかどうかが問題です。

パートの賃金休系が明らかでありませんが、時間給だと所定労働時開か減っただけで、単価の変動はありません。

月給や日給制の場合、または月給・日給制から時給制へ切り替える場合などは、固定的資金の変動と認められます。

その後、「2等級以上の差がついたとき」については、例外があります。

標準報酬月額が上限・下限に近いとき、いくら金額が増減しても、2等級以上の差かっかないケースがあります。

たとえば、月給100万円の人が200万円になっても、等級は最上位の39級で変わりありません。

等級が1等級しか変わらなくても、実質的に2等級以上の差がついたとみなぎれる場合は、随時改定の対象となります。

その基準を別掲に示しました。

お尋ねのケースでは、改定月以後の報酬が9万5,000円未満になれば、随時改定か適用され、標準報酬月額2級か1級に改定されます。

青森の最低賃金は605円ですから、正社員の4分の3以上の所定労働時間でも、収入が9万5,000円未満というケースもないわけではないでしょう。

4分の3未満になれば、被保険者から外れてしまうので、標準報酬月額の問題は雲散霧消します。

ただし、注意が必要なのは、改訂後3ヵ月間の報酬支払基礎日数が20日以上あることも、条件になっていることです。

所定労働時問の短縮が、労働日の減少という形をとるのなら、この条件を満たさない可能性もあります。

標準報酬の上限・下限の扱い:健康保険
現在の標準報酬月額昇(降)給報酬月額
38級・930,000円の場合昇給1,005,000円以上
1級・98,000円で報酬月額が95,000円未満昇給101,000円以上
39級・980,000円で報酬月額が1,005,000円以上降級955,000円未満
2級・104,000円の場合降級95,000円未満
標準報酬の上限・下限の扱い:厚生年金保険
現在の標準報酬月額昇(降)給報酬月額
29級・590,000円の場合昇給635,000円以上
1級98,000円で報酬月額が95,000円未満昇給101,000円以上
30級・620,000円で報酬月額が635,000円以上降級605,000円未満
2級・104,000円の場合降級95,000円未満

【平成16年:事例研究より】