退職者が死亡したが遺族厚生年金は5年経つと対象外か【平成15年:事例研究より】

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病気を理由に、定年前に退職された方が、お亡くなりになったと連絡を受けました。

遺族厚生年金の支給要件に、「資格喪失後、5年以内に死亡したとき」がありますが、退職後、既に7年が経過しています。

年金の対象にはならないのでしょうか。

【岩手 J社】

遺族年金は、現に被保険者である人が死亡した場合に支給されますが、一定要件を満たす場合、「被保険者だった人」も対象になります。

短期要件と長期要件の2つがありますが、短期は次のいずれかに該当するときです。

1.被保険者資格を喪失した後に被保険者だったときに発した傷病により、初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき 2.障害等級1・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき ご質問にある5年以内とは、この1の要件を指すのでしょう。

しかし、このほか、長期要件として、 3.老齢厚生年金資格期間を満たしている者の死亡があります。

老齢厚生年金の受給権者またはその受給資格期間を満たしている者が死亡した場合も、遺族厚生年金が支払われるのです。

「定年を前に退職された」とのことですから、7年経過した今は、60歳過ぎで、年金を受給されていたはずですので、その点をチェックしてください。

年金受給権者なら、遺族年金の対象になります。

なお、長期要件に該当する場合は、年金額を計算する際、老齢厚生年金と同様に生年月日に応じて高い支給乗率を使用するので、金額も高めになります。

【平成15年:事例研究より】