週35時間制で土曜出勤したが、6時間目から割増賃金か【平成15年:事例研究より】

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1日の労働時間は7時間、休日は土・日で週の労働時間は35時間となっています。

繁忙期には毎日8時間まで残業をさせ、この1時間には通常の賃金100%、8時間を超える残業には割増賃金125%を支払っています。

この場合、土曜休日に出勤させたとき、1週間の所定労働時間は35時間ですから、5時間までは通常の賃金100%、5時間を超えた6時間目から125%の割増賃金を支払うことでよいでしょうか。

【東京 N社】

時間外労働として割増賃金を支払わなければならないのは、1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働させた場合です。

行政解釈は「労働時間が通算して1日8時間又は週の法定労働時間以内の場合には割増賃金の支給を要しない」(昭22・12・26基発第573号、昭33・2・13基発第90号)としています。

1日の所定労働時間は7時間ですから、7時間を超え8時間までの1時間については、割増賃金(125%)支払う必要はありません。

その所定労働時間外の1時間(法内残業)に対しては、原則として通常の賃金を支払わなければなりません。

したがって、7時間を超え8時間までの1時間(法内残業)には通常の賃金100%、8時間を超える時間外労働には割増賃金125%を支払う定めであっても差し支えありません。

1週間については、1日8時間を超え時間外労働となる時間を除き、週40時間を超える時間が時間外労働となります。

1日の所定労働時間は7時間でも、毎日1時間の法内残業をさせていれば、1日の労働時間は8時間となり、月曜〜金曜で40時間に達し、土曜の出勤はすべて時間外労働になります。

1時間目から割増賃金(125%)を支払わなければなりません。

土曜休日の出勤、5時間まで通常の賃金100%、6時間目から125%の割増賃金の支払いでよいのは、一切残業をさせないで、月曜〜金曜の労働時間が35時間の場合に限られます。

月曜〜金曜までの法内残業の有無、その時間数によって、125%の割増賃金がつく時間が違ってきますので事務的に煩雑となります。

たとえば、月曜〜金曜の法内残業2日で2時間の場合は、その週の労働時間は37時間で、土曜休日の出勤は3時間まで100%、4時間目から125%、法内残業3日で3時間の場合は、その週の労働時間は38時間で、土曜休日の出勤は2時間まで100%、3時間目から125%となります。

法定外休日の士曜休日の出動といえども、休日となっている日に働かせるわけですから、休日出勤として125%の割増賃金を支払うのが望ましいと考えられます。

【平成15年:事例研究より】