当社のフルタイム・パートの件で、ご相談があります。
ご主人が病気休職中で、働きに出ているのですが、先日、本人が歯の治療で31万円以上のお金を支払ったそうです。
この場合、ご主人の入院費と合わせて、高額医療費の申請が可能でしょうか。
【岡山 K社】
高額医療費は、病院窓口で支払ったお金が一定以上のとき、費用の一部が填補される制度です。
被保険者本人分だけでなく、家族負担分も対象になります。
一般の被保険者の場合、自己負担の限度額は、 7万2、300円十(かかった医療費−24万1,000円)×1% と定められています。
医療費とは、本人負担額の計算の元になる金額です。
その金額が、24万1、000円を超えると、超えた分の1%ずつ、自己負担限度額が増えていきます。
しかし、本人分、家族分それぞれ単独では、この限度額に達しない場合にも、1人の負担額が3万円以上なら、合算して高額療養費の適用を受けることができます。
これを、世帯合算といいます。
奥さんが専業主婦や短時間勤務のパートの場合、ご主人の健保を使って、ご主人の高額療養費の申請の際に、奥さんの歯の治療費を合算することは可能です。
しかし、ご質問の方はフルタイム・パートですから、原則的には、本人が健保の資格を取得しているはずです。
世帯合算の対象は、被保険者本人とその被扶養者に限られます。
早い話、住民票上は同一世帯でも、被保険者証に記載されている家族でないと、適用を受けられないのです。
夫婦は互いに生計を維持し合っていますから、埋葬料などの対象にはなります。
しかし、健保に別々に加入している場合には、世帯合算して高額療養費を申請することはできません。
お尋ねのパートさんの場合、歯の治療費単独で、自己負担限度額を超えない限りは、払い戻しを受ける権利は生じません。
【平成15年:事例研究より】