通勤災害の一部負担金について、疑問があります。
費用を負担しなくてよい人のなかに、「既に一部負担金を納付した者」などとあるのは理解できますが、なぜ「休業給付を受けない大」も対象に含まれるのでしょうか。
納付義務を免れる理由がない気がします。
【愛媛 S社】
労災保険から療養の給付を受ける場合、業務上災害には一部負担の規定がありません。
しかし、通勤災害に限っては、200円(健康保険の日雇特例被保険者は100円)が徴収されます。
通勤災害は、事業主の支配下で起きるものではなく、労基法の災害補償責任を根拠とするものではありません。
このため、受益者負担という観点から、一部負担金が設けられているのです。
しかし、労災保険法施行規則第44条の2に、負担義務を負わないケースが定められています。
1 第三者行為災害を受けた者 2 療養開始後3日以内に死亡した者、その他休業給付を受けない者 3 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者 受益者負担という考え方を取れば、第三者行為災害を受けた者などが、除外されるのは分かります。
それでは、なぜ休業給付を受けない者という規定が設けてあるのかというと、一部負担金の徴収方法と関係があります。
労災保険の負担金は、休業給付を支払うとき、給付金を減額するスタイルを取ります。
健保のように窓口徴収でなく、控除方式なので、休業給付のない人は適用が除外されています。
【平成15年:事例研究より】