1年勤務のパートを正社員にしたが、年休の基準日はどうなる【平成15年:事例研究より】

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パートタイマーとして1年以上勤務した人を4月から正社員として採用しました。

1日の勤務時間は5時間30分から8時間に、賃金は時間給から月給に変わりました。

パート当時も週5日勤務でしたので、6ヵ月勤務した時点で10日の年休を与えましたが、今後は正社員として6ヵ月、1年6ヵ月…を経過した時点で年休を与えることになるのでしょうか。

【宮城 A社】

労基法第39条は、①6ヵ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に継続し、または分割した10労働日の有給休暇を与えること②1年6ヵ月以上の継続勤務者に対しては、10労働日に、6ヵ月を超える継続勤務年数1年について1労働日、2年6ヵ月を超える継続勤務年数1年について2労働日ずつ加算した年休(合計20日が上限)を付与しなければならないことを規定しています。

パートタイマーであって1日の所定労働時間が短くても、週5日以上働いているものは比例付与の対象ではなく、この規定が適用されます。

6ヵ月間継続勤務の「6ヵ月間」の起算日は、その労働者の雇入れ日(採用日)です。

6ヵ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合には、その翌日(基準日)に10日の年休を与えなければなりません。

この継続勤務とは、労働契約の存続期間すなわちその事業場における在籍期間を意味します。

パートタイマーとして1年以上勤務した人を正社員として採用した場合でも、単なる企業内における身分の切替えにすぎず、労働関係は継続していますので、継続勤務に該当します。

したがって、年休の勤務年数は、パートタイマーの勤務期間と正社員となってからの勤務期間を通算し、通算した勤務年数に応じた日数の年休を与えなければなりません。

継続勤務の起算日は、パートタイマーとして採用された日であって、正社員として採用された日ではありません。

正社員となっても、改めて継続勤務を計算するものでありませんので、パートタイマーとして採用された日から6ヵ月、1年6ヵ月、2年6ヵ月−と区切り、8割以上の出勤を条件に、その継続勤務年数に応じた日数(勤続年数6ヵ月10日、1年6ヵ月11日、2年6ヵ月12日、3年6ヵ月14日、4年6ヵ月16日、5年6ヵ月18日、6年6ヵ月以上20日)の年休を与えることになります。

【平成15年:事例研究より】