そろそろ年金をもらう年齢が近づいていますが、子供のことで質問があります。
40代で生まれた子供が、現在、他県の進学校で学んでいます。
同居していなくても加給年金の対象になるでしょうか。
【秋田 N男】
年金とは、60歳代前半の老齢厚生年金のことだと思います。
あなたが昭和16年4月2日から昭和18年4月1日までの間に生まれているとすると、男性の場合、支給開始年齢の引き上げの対象となり、60歳から61歳になるまで1年間は、報酬比例部分相当の老齢厚生年金だけが支給されます。
定額部分も合わせた特別支給の老齢厚生年金を受け取れるのは、61歳以降4年間です。
報酬比例部分相当の老齢厚生年金が払われる間、加給年金は付きません。
ですから、あなたが61歳に達した後、子供が加給年金の対象になるかどうか判断されます。
権利があるのは、18歳に達する日以降最初の3月31日までの間にある子(1級・2級の障害者は20歳未満)がいる場合です。
一般的には、高校を卒業するまでということです。
年齢要件のほか、生計維持関係も必要とされますが、ご質問の趣旨は、「同居していないと、生計維持関係が認められないか」ということだと思います。
生計を維持しているというためには、生計同一要件と収入要件の2つを満たさないといけません。
収入要件は、年収が850万円以下であることですが、これは問題なくクリアするでしょう。
生計維持に関しては、別掲のとおり条件が定められています。
原則的には起居をともにする必要がありますが、例外として「就学等の理由で別居していても、そうした事情がなくなれば、同居に戻ると考えられる場合」があげられています。
常識的にみて、当然の規定といえます。
あなたの場合、ここにあげられている条件に反する特段の事情がない限り、生計維持関係が認められるはずです。
生計同一要件 生計維持認定対象者が配偶者または子である場合 ア 住民票上同一世帯に属しているとき イ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき ウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき (ア)現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき (イ)単身赴任、就学または病気療養等のやむを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき (a)生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること。
(b)定期的に音信、訪問が行われていること。
【平成15年:事例研究より】