私は昨年で定年退職(60歳)し、現在、特別支給の老齢厚生年金を受給しています。
妻は、昭和61年4月から第3号被保険者となり、私の退職後は自分で保険料を支払って国民年金に加入しています。
それ以前は、年金に加入したことはありません。
昭和6年生まれでもうすぐ60歳になりますが、加入期間は5年あまりしかありません。
妻は年金を貰えますか。
【千葉M男】
奥さんが加入した年金は国民年金だけですので、受ける年金は老齢基礎年金になります。
老齢基礎年金を受けるには、原則として25年以上の加入期間が必要です。 奥さんは60歳まで国民年金に加入しても、加入期間は5年あまりにしかなりません。
しかし、齢老基礎年金を受けることができます。
厚生年金に加入しているサラリーマンの奥さんで、国民年金に任意加入することができたのに、任意加入しなかった昭和36年4月以後の20歳以上60歳未満の期間は、老齢基礎年金の資格期間として計算できるからです。
しかし、年金額には反映されない「カラ期間」です。
あなたと奥さんが結婚されたのが昭和36年3月以前であれば、国民年金が発足した昭和36年4月から、第3号被保険者として国民年金に加入する前の昭和61年3月までは、すべてカラ期間となります。
このカラ期間を加えれば、老齢基礎年金の受給資格期間を十分に満たしています。
奥さんは65歳から実際に加入した期間に応じた老齢基礎年金が受けられます。
あなたは厚生年金の加入期間が20年以上ありますので、あなたの老齢厚生年金には奥さんの加給年金が加算されています。
この加給年金は、奥さんが65歳になって自分の老齢基礎金を受けるようになると打ち切られます。
その代わり奥さんの老齢基礎年金に振替加算がつきます。
振替加算の額は生年月日に応じて決まります。
奥さんは、65歳から実際に加入した期間に応じた老齢基礎年金と、この振替加算を合わせた額が受けられます。
老齢基礎年金の額は、実際に加入した期間で計算されますので、加入期間が5年あまりでは、奥さんの老齢基礎年金はきわめて少額となってしまいます。
国民年金は60歳以後65歳になるまで任意加入ができますので、奥さんは60歳以後も任意加入し、その期間分増額させることもできます。
【平成4年:事例研究より】