ことし3月に35年勤務した会社を退職(60歳)し、現在、特別支給の老齢厚生年金を受給しています。
妻の加給年金もついています。
一方、妻は昭和45年から国民年金に任意加入し、私の退職後は、妻は第1号被保険者となり保険料を払っています。
妻が65歳になると加給年金がつかなくなると聞いたのですが、本当でしょうか。
年金額は減るのですか。
【神奈川・T男】
加給年金は、特別支給の老齢厚生年金が受けられるようになったとき、厚生年金の加入期間が20年以上(中高齢の特例の場合は15年〜19年)で、その人に生計を維持されている65歳未満の配偶者、18歳未満の子(障害者の子は20歳未満)があれば、加算されるものです。
あなたは、厚生年金の加入期間が20年以上あり、扶養している妻がいますので、あなたの受ける特別支給の老齢厚生年金に妻の加給年金がついているわけです。
妻の加給年金は、妻が65歳になるまでで、妻が65歳になるとつかなくなります。
サラリーマンの妻(専業主婦)もすべて国民年金に加入し、65歳から自分名義の老齢基礎年金を受けるようになっています。
しかし、新制度が実施された時点(昭和61年4月1日)で、60歳に近い妻で、それまで国民年金に任意加入していなかったり、任意加入の期間が短い人は、老齢基礎年金の額が極めて少なくなってしまいます。
一方、妻が65歳になると加給年金が打ち切られるので、夫婦で受ける年金は減りかねません。
そこで、65歳以降の夫婦の年金が減らないよう振替加算という制度が設けられています。
つまり、老齢厚生年金の加給年金の対象となっている妻が、65歳になって、老齢基礎年金を受けるため、打ち切られた夫の老齢厚生年金の加入期間が、妻自身の老齢基礎年金への加算に振り替えられることから振替加算といわれています。
したがって、奥さんが65歳になると、あなたの老齢厚生年金に加給年金がつかなくなるのは本当です。
それに代わって、奥さんが65歳から受ける老齢基礎年金に振替加算がつきます。
奥さんは、65歳になると、国民年金の加入期間に応じた老齢基礎年金と振替加算を足したものが受けられます。
振替加算が行われるのは、夫(妻)が新制度の老齢厚生年金を受けており、妻(夫)も新制度の老齢基礎年金を受ける場合に限られています。
【平成4年:事例研究より】