55歳で退職したい女子、35歳以後15年の加入があれば中高齢の特例で年金受給できるか【平成4年:事例研究より】

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54歳(昭和12年5月生まれ)になる女子です。

38歳のとき、現在の会社に入り、厚生年金に加入しました。

そのとき15年加入すれば、女子は55歳から年金がもらえるということでした。

あと1年、55歳で会社をやめたい考えですが、厚生年金はもらえるでしょうか。

【愛知・K子】

国民年金、厚生年金のいずれに加入していても、老齢の年金を受けるためには老齢基礎年金の受給資格期間(原則として25年以上)を満たす必要があります。

しかし、旧制度の厚生年金では、20年以上の加入で老齢年金が受けられました。

新制度への移行措置として、厚生年金に加入している人で、昭和27年4月1日以前に生まれた人は、厚生年金の加入期間が20年で老齢基礎年金の受給資格期間を満たします。

また、旧制度の厚生年金には、男子40歳以後、女子35歳以後の厚生年金の加入期間が15年あれば、老齢年金が受けられるという中高齢の特例がありました。

この中高齢の特例は、昭和22年4月1日以前に生まれた人に適用されます。

あなたは昭和12年生まれですから、中高齢の特例に当てはまり、35歳以後の厚生年金の加入期間15年で受給資格期間を満たします。

すでに35歳以後の加入期間も15年を超えていますので、55歳で退職されても受給資格はあります。

一方、厚生年金を受けはじめられる年齢も、女子には特例があります。

旧制度の厚生年金では女子の場合は退職していれば55歳から受給できたため、厚生年金の加入期間が20年(35歳以後15年)以上ある一定年齢以上の女子が退職したときには、60歳になる前から特別支給の老齢厚生年金を受けることができます。

あなたは、昭和12年生まれですから、退職すれば58歳から特別支給の老齢厚生年金が受けられます。

55歳で会社をやめても、58歳にならなければ厚生年金が受けられません。

また、退職した後は特別支給の厚生年金を受けはじめるまでは、国民年金に加入しなければなりません。

65歳からは厚生年金の加入期間分の老齢厚生年金と、厚生年金と国民年金に加入した期間分の老齢基礎年金が受けられます。

【平成4年:事例研究より】