1ヵ月単位の変形労働時間制を採用し、休日は毎日曜日及び会社が指定した日をカレンダーに定め、平均週40時間を達成しています。
月に2〜3日の休日出勤が生じるのですが、会社は法定休日を定めず4週間を通じ4日以上の休日を与えているからといって、125%の割増賃金しか支払いません。
日曜日の出勤には135%が払われるべきではないでしょうか。
【広島 S男】
労基法第35条は、毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えることを使用者に義務づけています。
労基法でいう1週間とは、就業規則その他に別段の定めがない限り、日曜日から土曜日までの1週間とされています。
少なくとも週1日の週休制が原則ですが、4週間に4日以上の休日を与える変形休日制も認められています。
4週4日の変形休日制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるものにおいて、4日以上の休日を与える4週間の起算日を明らかにすることとされています(労基法施行規則第12条の2)。
就業規則などで4日以上の休日を与える4週間の起算日が定められ、特定された4週間に4日の休日が確保されていれば、労基法第35条違反となりません。
3割5分以上の割増率で計算した割増賃金を支払わなければならない休日労働とは、労基法第35条に規定されている1週1日または4週4日のいわゆる法定休日の労働です。
4週間の起算日を定め、起算日から4週間ごとに区切った4週間の休日のうち、最後の4日について3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払う定めであれば、4週4日の休日が確保されている限り、それを上回る休日については法定休日労働ではなく135%の割増賃金を支払う必要はありません。
行政解釈は、 「問 法第37条の規定により休日労働に対し割増賃金を支払わなければならないのは法第35条の休日のみと解するが如何」 「答 見解のとおり。
ただし、法第35条の休日の労働により週の法定労働時間を超える場合には、時間外労働の割増賃金の支払を要するから念のためj(昭23・4・5基発第537号、昭63・3・14基発第150号) としています。
4週4日の休日を上回る休日の出勤で法定休日労働の割増賃金を支払う必要がなくても、法定外休日の出勤で、(1)週40時間を超える時間を定めた週はその時間、週40時間以内とされている週は週40時間を超えた時間、(2)変形期間における法定労働時間の総枠を超えた時間((1)で時間外労働となる時間を除く)が時間外労働となり、時間外割増賃金(125%)の支払いが必要となります。
125%の割増賃金が支払われていますので、割増賃金の支払い方としては問題はなくても、週休制が原則であり、4週4日の変形休日制は例外ですから、できることなら毎週日曜日を法定休日とし、日曜日に労働した場合、135%の割増賃金を支払うことにするのが望ましいと考えられます。
【平成15年:事例研究より】