育児休業者の保険料免除について質問があります。
保険料を納めなくても、将来受け取る年金が減る心配はないと聞いていますが、休業取得予定者から「厚生年金は大丈夫でも、基礎年金が減るんじゃないですか?」といわれて、答に窮しました。
基礎年金に限っては、免除期間中の年金は3分の1に減るという原則が適用されるのですか。
【岩手・M社】
老齢厚生年金の計算式に、免除期間に関する規定はありません。
ですから、ご指摘のように、被保険者期間中に免除期間があっても、年金額に影響は及びません。
しかし、基礎年金には、免除期間に応じて年金を減額する仕組みが設けてあります。
そこで心配になったのでしょうが、保険料の免除期間といってもいろいろ種類があります。
国民年金法で定める免除には、障害者や生活保護者などが対象の法定免除、所得が低いなどの理由に基づく申請免除(全額と半額の2種類)、学生の申請免除の4区分があります。
法定免除と全額免除期間は、年金を計算するとき、満額の3分の1と計算されます。
半額免除は、同3分の2.学生の免除は、年金額に反映されません。
国民年金の第3号被保険者は、自分で保険料を納めていませんが、これは免除とは違います。
3号被保険者に関しては、国が厚生年金保険料を原資に基礎年金拠出金を拠出しています。
ですから、3号被保険者期間があっても、その期間に対応する基礎年金は満額が支払われるのです。
育児休業中の被保険者は、国民年金で定める免除者には該当しません。
実は、免除期間に関しては第3号被保険者と同じような扱いになっているのです。
厚生年金の保険料を納めていなくても、その期間に対応する基礎年金拠出金は、きちんと国が支払っているのです。
このため、育児休業で休み、免除を受けていても、その期間は保険料納付済期間とみなされます。
老齢基礎年金に関しても、金額的に何の心配も要りません。
【平成16年:事例研究より】