高額療養費について、奥さんには収入がない被扶養者も上位所得者か【平成16年:事例研究より】

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高額療養費の合算の仕組みがよく分かりません。

上位所得者本人が15万円、専業主婦で所得のない奥さんが3万円、それぞれ同じ月に出費があったとすれば、高額療養費はいくら戻ってくるのでしょうか。

被保険者本人と奥さんと、違う基準を適用して、金額を計算するのですか 【福岡・T社】

高額療養費を計算する場合、標準報酬月額56万円以上(28等級以上)を上位所得者と呼び、それより低い人たちとは、違う計算式を用います。

窓口負担額-{13万9,800円十(かかった医療費−46万6,000円)×1%} 同一世帯で、同じ月に複数の窓口負担かおるとき、合算して算定基準額を超えれば高額療養費が支給されます。

算定基準額とは、前掲の式で{}でくくられた部分の金額のことです。

ただし、70歳未満の被保険者の場合、個々の出費が2万1,000円未満だと、合算の対象になりません。

レセプトがたくさんあって合計すれば算定基準額を超えるときでも、2万1,000円未満のレセプトは除外して支給の可否を判断します。

高額療養費は、奥さんが使った分も含め、被保険者本人が受取人となります。

奥さんが無収入だから低い基準が適用されるわけではなく、あくまで被保険者本人の収入を基に高額療養費を算出します。

現在、窓口負担割合は、非保険者本人、被扶養者ともに3割です。

ですから、かかった医療費は、 被保険者本人分=15万円÷0.3=50万円 被扶養者分=3万円÷0.3=10万円 これを、最初に掲げた式に代入してみましょう。

窓口負担額-{13万9,800円十(かかった医療費−46万6,000円)×1%}=15万円+3万円-{13万9,800円十(50万円+10万円−46万6,000円)×1%}=3万8,860円 お尋ねのケースでは、窓口で18万円払った後、高額医療費を申請することで、3万8,860円か返ってくる計算になります。

【平成16年:事例研究より】