高額療養費制度では、定額負担制に加えて療養費の1%の定率負担制が導入されていますが、多数該当の場合も、1%の負担が求められるのでしょうか。
【和歌山 I社】
定率負担制は、平成13年1月からスタートしました。
従来、病院窓口で支払った負担額が、定額で定められた自己負担限度額を超える場合、超えた金額がすべて高額療養費として支払われましたが、制度改正後は超えた分の1%は戻ってこない仕組みになりました。
高額療養費は、窓口負担が「著しく高額」なとき、患者の支出を抑える目的で設けられています。
しかし、高額療養費の自己負担限度をみると、一般の被保険者で、7万2、300円+1%(平成14年10月改定)、上位所得者(標準報酬月額56万円以上)では13万9、800円+1%(同)です。
月々これだけの金額を自腹で払うのは大変なことです。
そこで、1年間に3回以上高額療養費が支給された家庭については、4回目から限度額を引き下げる措置を講じています。
これを、多数該当世帯の負担軽減といいます。
この多数該当を認定する際には、常に直近の12ヵ月をみて支給回数が4回目以上かどうかをチェックします。
多数該当の場合の自己負担限度額については、定率制は適用されません。
以前と同様に、定額のボーダーラインを超えた場合、超えた金額がすべて戻ってきます。
限度額は、一般の被保険者で4万200円(平成14年10月改定)、上位所得者で7万7,700円(同)です。
【平成15年:事例研究より】