労働者を解雇する際に、30日前に解雇予告をしない使用者は、予告に代えて30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりませんが、解雇予告手当は賃金でないと聞きました。
賃金でないとすると、通貨払い、直接払いの原則は適用されないのでしょうか。
【広島・M社】
「Q.労働基準法第20条第1項後段の解雇予告手当は、退職手当とその内容は類似するものの、過去の労働との関連が薄く、むしろ労働者の予測しない収入の中絶を保護するもので、労働の対償となる賃金とは考えられないから、必ずしも通貨支払、直接支払の要件を具備しなくても差支えないものと解されるが如何。ただ、指導方針としては、法第24条に準じて通貨で直接支払うよう取り計るものと思われるが如何」
「A.解雇予告手当が賃金でないこと見解の通りであるが、この支払について見解のとおり指導すること」(昭23・8・18基収第2520号)としています。
解雇予告手当は賃金ではありませんが、賃金に準ずるものですから、その支払いについては、通貨払い、直接払いを行うよう指導することとしています。
また、労基法第23条に定める労働者の退職の際、その請求に応じて7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品には含まれません。
【平成16年:事例研究より】