パートで雇ってすぐの従業員が、スポーツ中にケガをしました。
幸い社会保険への加入手続きを取っていたので、健保で治療を受けさせました。さらにケガの状況によっては、障害手当金を受けられるかもしれないと説明しましたが、何か問題があるでしょうか。
【東京・H社】
厚生年金には、国民年金にはない独自給付として、3級障害厚生年金と障害手当金が設けられています。
しかし、受給権を得るための条件は障害厚生年金1・2級と共通です。
入社してすぐにヶガをしても、初診日要件と保険料納付要件の両方を満たしていれば、厚生年金から給付を受けることができます。
お尋ねのケースでは、「ケガの初診日が厚生年金の被保険者期間中にある」という条件には合致しています。
しかし、保険料納付要件をクリアしているか否かは不明です。
厚生年金法第47条では、「初診日の前日までに国民年金の被保険者期間があり、保険料納付期間と免除期間を合算した期間が被保険者期間の3分の2に満たないとき」は、障害厚生年金は支給しないと定めています。
障害手当金についても、「第47条の規定を準用する」という扱いです。
ですから、入社してすぐにケガをしたときは、その前々月以前の国民年金被保険者期間をチェックして保険料納付要件を満たしていないと、障害手当金は支給されません。
厚生年金の独自給付だからといって、厚生年金の被保険者期問だけを保険料納付の判定期間とするわけではないのです。
入社以前の経歴(第1〜3号被保険者期問と保険料納付歴)をすべて調べる必要があります。
【平成16年:事例研究より】