適性みる期間で本採用ではない試用期間後に資格取得手続きとってよいか【平成16年:事例研究より】

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当社では、新規学卒採用者については、その者の能力・適性を知り、それに適した仕事に配置するため、最初の6ヵ月間を試用期間とし、この間、特に問題なく勤務した者を本採用とすることにしています。

試用期間中も、もちろん定められた賃金を支払っていますが、あくまでも試用期間中ですので、試用期間が終了したときに、雇用保険の被保険者資格を取得する手続きを取ることとしてよいでしょうか。

【大分・G社】

雇用保険では、適用事業(労働者が雇用される事業のことをいいます。

事業主が個人であるか法人であるかを問いません。

ただし、農林水産の事業のうち一部の事業は、当分の問、暫定的に任意適用事業となります)に雇用される者は、その事業の業種、規模等にかかわらず、原則としてすべて被保険者となります。

そして被保険者としての資格を取得するのは、雇用関係に入った最初の日ということになります。

採用した新入社員に対し、一定期間試用期間として教育訓練を行うことは、多くの事業所でみられるところですが、試用期間と称する期間であっても、会社の指揮命令に従って教育訓練を受け、または仕事に従事し、これによって賃金を受けている限り、雇用関係にあると認められますので、当然被保険者となります。

ご質問のケースでは、6ヵ月間の試用期間中も定められた給与が支払われているということですから、雇用関係はあると考えられます。

したがって、試用期間中ということで特に労働時間が短い等特段の事情がない限り、雇用保険の被保険者になると解されます。

被保険者資格を取得するのは、雇用関係に入った最初の日ですから、本件の場合は、試用期間に入った最初の日に被保険者資格を取得すると考えられます。

また、研修等の目的で、新規学卒者を3月中から労務に就かせ、賃金を支払うことがありますが、このような場合は、いわゆる「採用日」が4月1日となっていても、実際に労務の提供を開始した日が雇用関係に入った日となり、その日に被保険者資格を取得することになります。

なお、試用期間中の勤務態度不良等により、本採用に至らなかった場合には、その時点で雇用関係が終了すると解されますので、被保険者資格の喪失の手続きを行わなければなりません。

【平成16年:事例研究より】