厚生年金の老齢年金を受給するには、加入期間が20年以上なければなりませんが、当社では、42歳(昭和24年3月生まれ)になる女子を採用し、厚生年金に加入させました。
60歳まで勤務しても、加入期間は18年にしかなりませんが、40歳を過ぎて初めて厚生年金に加入したわけですから、加入期間15年で受給資格ができますか。
【山形・K鉱業】
国民年金、厚生年金のいずれに加入していても、老齢の年金を受けるためには、老齢基礎年金の受給資格期間(原則として25年以上)を満たす必要があります。
しかし、旧厚生年金の老齢年金は、厚生年金の加入期間が20年以上で受けられましたので、この支給要件を引き継いだ資格期間の経過措置が設けられています。
昭和27年4月1日以前に生まれた人は、厚生年金の加入期間が20年で老齢基礎年金の受給資格期間を満たします。
それより後に生まれた人は、生年月日に応じて必要な加入期間が1年ずつ延長され、31年4月2日以後に生まれた人から25年以上となります。
また、旧厚生年金には、男子は40歳以後、女子は35歳以後の厚生年金の加入期間が15年あれば、老齢年金を受けられるという中高齢の特例がありましたが、この特例による受給資格期間の短縮も、昭和22年4月1日以前に生まれた人にだけ適用されます。
この特例も、生年月日に応じて加入期間が1年ずつ長くなり、26年4月2日以後に生まれた人は20年以上となります。
15年の特例は、生年月日に応じて延長されていくのです。
ご質問の女子は、昭和24年3月生まれですから、15年の特例に該当しません。
昭和23年4月1日から24年4月1日までに生まれた人は、女子は35歳以後の厚生年金の加入期間が17年必要です。
なお、17年未満であっても、国民年金の加入期間と合わせて25年以上で、受給資格期間を満たします。
60歳まで勤務され、厚生年金の加入期間が18年以上となれば、受給資格期間を満たします。
60歳になって加入期間18年で退職されれば、特別支給の老齢厚生年金が受けられます。
65歳からは老齢厚生年金と、厚生年金の加入期間と勤務される前め国民年金の加入期間を合わせた加入期間に応じた老齢基礎年金が受けられます。
【平成4年:事例研究より】