高度技能を保有する高齢社員を、技術伝承の目的で関連会社に出向させたいと考えています。
現在、すでに65歳を超え、高年齢継続被保険者という扱いになっていますが、仮に出向先で退職を迎えた場合、雇用保険を受けられるでしょうか。
【新潟 S社】
高年齢継続被保険者とは、65歳になる前から同一の適用事業に引き続き雇用されている被保険者のことです。
65歳に達した日以降に新たに雇用された人(短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者を除く)は、常用労働者として雇われても被保険者にはなりません。
在籍出向時の扱いですが、原則は生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける一の雇用関係についてのみ、保険関係が成立します。
建前論からいえば、賃金を払うのは技能の伝承を受ける関連会社側でしょうから、出向先で被保険者になるのが普通です。
しかし、お尋ねのケ−スでは、すでに65歳を過ぎているので、新しい雇用関係に基づき、被保険者資格を取得することはできません。
この場合、出向元で引き続き被保険者資格を保持するという扱いを取ります。
つまり、出向に合わせて被保険者資格喪失等の手続きをとる必要はありません。
本社では、賃金の支払いがないので、出向が続くと、「退職前1年間に被保険者期間が6ヵ月以上あること」という雇用保険の受給資格を満たしません。
しかし、出向等で30日以上賃金の支払いのない日が続く場合、判定期間が1年から最大4年間に延びる規定がありますので、あまり出向が長期にわたらなければ、雇用保険(高年齢求職者給付金)を受けることができます。
【平成15年:事例研究より】